赤ワイン半分の勢いで始まった、声楽のレッスン。だんだん、高音が出せるようになってきました。
ただ、高音になると、息量や音程、身体の力みのバランスが破綻するのが、自分でもわかります。声がひっくり返ったり、喉が締め付けられたりしない状態で、もっと軽やかに、すかーんと抜けるような健やかな声を出したいのだけど。
どうもうまくいかない、納得いかない、気に入らない。
「高床式倉庫です」
そんなとき、Tさんの例えが、すごくしっくりきました。
「高床式倉庫です。土台を支える柱はしっかり地面に刺さってる、だけれども、床は上に上がっている状態。結局、柱が宙ぶらりんで、床が上がっただけじゃ、ふわふわしちゃって、お腹と繋がらないし、せっかく吸った息が全部無駄になっちゃうんですよね」
そうそうそうそう!それです、それです!
土台が外れちゃった高床式倉庫になっちゃってる。そう、ふわふわしちゃうんです。
しっかり地球と繋がって、グッと支えられた状態で、床というかプラットフォームというかを、グッと上げる。わたしの中で、高床式倉庫の床が、すっと1オクターブ上がるイメージが投影されます。上手く投影できると、バランスを崩していた高音が、安定するのです。
Tさんがいつも「下をしっかり支えてあげることで、上が初めて自由になるんですよ」と言ってくれるのは、きっと、こういうこと。
マリオネットの糸
頭でわかっても、どうやったらそういう体の使い方ができるかは、また別の話です。マリオネットを操るのに、どの糸を、どんな加減で引いたら、どこが動くのかがつかめなくて、手探りなカンジ。そんなふうに考えてばかりいると、空回りして、声はひっくり返ります。
頭と身体と心が、連携していない、調和していない状態。
サラリーマンを卒業して1年半。頭、身体、心、それぞれ単品の調律に注力してきました。こんどは、その単品たちを連動させて、ハーモナイズすることを楽しむ時間がやってきた!
高く跳ぼうとするときほど、地面との接続が問われる。遠くを観る思考と、地に足のついた身体。その両方が繋がって初めて、声も、考えも、立体になるのではないでしょうか。