赤ワイン半分の勢いで始まった、声楽のレッスン。毎回発見の嵐で、人生の彩りが豊かに深く立体的になっていくのが、手に取るようにわかります。

死ぬまでにこーんなに楽しいことに出会えて、わたしってなんてラッキーなのー!

と噛み締めていたのですが。

前回のレッスンは、全然納得がいかなくて、自分にガッカリしてしまいました。

陸で溺れる

歌うことは、「身体を使う」こと。頭でしか生きてこなかった期間が長いわたしには、その感覚がなかなか体感できなくて。それでも最近は、ようやく「あ、もしかしたらこういうことかな?」と感じ始めて、ウキウキしていたのです。

それなのにその日は、頭と心と体がチグハグで、何しろブレスがうまくいきません。

ブレスは、吐ききらないと吸えません。
意識して吐ききろうとするのだけど、音楽とタイミングが合わない。
吐ききらないのにブレスのタイミングが来るから、吸う。
入る場所がないのに吸うから、アップアップして——陸で溺れる。

うっ、く、苦しい!
おっかしいなー、何だろ、今日は?

心当たりはありました

レッスンの前の日は、お酒を控えて、質の良い睡眠をとって、自分の機嫌を自分で取る。思いつく限りの下準備をします。その下準備で自分を整えている時間が、すでに楽しくて仕方がないのです。

それなのに、その日は最悪のコンディションでした。

心当たりはありました。

数年ぶりに、自分の努力ではなんともならない事象に向き合うことがあって、それが心的ストレスになっていたのです。心的ストレスがあると、わたしの場合は、お腹が空かないのに食べてしまったり、見たくもない映画や動画を深夜まで見続けたりして、生活が荒みます。生活が荒むと、気持ちも乱れるし、身体も乱れる。

早く立て直そうと、運動したり、お風呂にゆっくり浸かったり、好きな音楽を聞いたりしたのだけど、今回は、その調整が間に合いませんでした。

自分の未熟さ加減に嫌になった日でした。

声楽だけじゃなく、スポーツでも役者でも、身体と心と頭が連携しないとできないことをやっているプロって、本当にすごい。自分の扱い方を、とことん知り尽くしているのだろうな。

「その場で戻す」練習

仲良しのMieちゃんに、陸で溺れたことを話したら、こう言ってくれました。

「あ、今日イマイチだーってときに、どうやってその場で戻すか、この練習なんだよね、きっと」

そう、レッスン中に立て直したかったけど、できなかったんだよねー。

でも、いまはもう、それさえ楽しんでいます(笑)

レッスンまでに立て直す技を身につけたら、どんなときもリラックスした状態でいられる方法を知れるわけです。人間は、リラックスした状態で初めてフルパワーが出せる。でも、リラックスしようと思った途端に、緊張しちゃう。てことは、そのリラックススイッチが習得できたら、すっごくいいんじゃない!?

心の乱れは、隠したつもりでも、呼吸に正直に出るのですね。

わたしの自己鍛錬は、まだまだ続きます。