カールスルーエへの旅支度は、体感記憶を呼び覚ますことになりました。
4月中旬の東京は、今年初の夏日を記録する暑さ。一方、カールスルーエで撮影された写真を見ると、ダウンジャケットにニット帽、マフラーに手袋。4月のドイツがまだ寒いことくらいは知っていたけれど、ここまで!?と、ちょっとした衝撃です。現地の天気予報をチェックしたら、滞在する週の最低気温は3度。コンパクトダウンじゃなくて、本気ダウンが必要だ。
どっかで感じたことのある、この感覚、なんだっけ?
何だったのか、ようやくわかったのは4日後。ミルウォーキーだ。かなり昔に住んでいたミルウォーキー。アメリカの中でも、ミルウォーキーを含むウィスコンシン州は、ドイツ系住民が最も多いと言われています。建物や色味、雰囲気がドイツに似ているので、その感覚を思い出したらしいのです。
北緯40度から45度
ところで、カールスルーエって、緯度は何度なんだろう?調べたら、北緯49度。北緯49度には、どんな都市があるんだろう!?興味津々で世界地図を広げてみると、札幌が43度。ということは、ミルウォーキーもミュンヘンも、その辺りってことだ。
そっか、じゃあ、イスタンブールは?ヘルシンキは?プラハは?テヘランは?と、自分の行ったことのある場所の緯度を調べてみます。訪れた最北端はモスクワで、最南端はシドニー。
ここで、ふと気づきました。
あ!もしかしてわたし、北緯40度から45度前後の都市が、気持ちが楽だったかも!?
気持ちが楽な都市って、もちろん政治や経済や治安の安心も大切だけど、なんか、それとは違う何かを感じとっているんだよなぁ。なんだろう?説明のつかない、何かがある。
分類できなかった「好きな場所」
実は、この緯度の謎を発見するまでは、自分の気持ちが楽な場所についての法則が、見出せませんでした。
40カ国も行っていて「どこが好きですか?」と聞かれても、一般的な分類のアルゴリズムに合致しなくて、バラバラなのです。森や湖なこともあるし、美術館・博物館なこともある。リゾートだったり、大都会だったり、社会主義国だったり、民主主義国だったり。
そもそも、都会が好きか田舎が好きかという、ざっくりした目の粗い質問に、めっぽう弱いわたし。例えばニューヨーク。マンハッタンをイメージする人は、わたしに「都会好き」というラベリングをしたがります。でも、わたしの言っているニューヨークは、マンハッタン郊外の、緑豊かな庭にリスや鹿が普通にいる、穏やかな景色だったりする。だから、二択で答えろと言われると、貝になってしまうのでした。
でもこれからは、堂々と「北緯40度から45度の場所が好きです!」と言えます(笑)。なんでなのかは、今はまだわからないけど。
頭上の見えないクラウド
なんでも説明がついたら、面白くありません。
こういうときわたしは、小さな発見を宝箱に入れて、自分の頭上の見えないクラウドに浮遊させておきます。そして、いつかその謎が解けたときに、「ああ、そういうことだったんだー!」と、点と点が符合する歓喜を楽しみにする習性があるのです。
まずは、本当に北緯40度から45度前後なのか、白地図にプロットしよう!もしかしたら高度も関係しているかもしれないから、高度も書き込んでみよう。北緯起点で地球を見たら、どんな発見があるんだろう?
また、新しい探究テーマが増えました!!
身体は、理屈より先に、何かを感じ取っている。知性は、後からその謎を追いかけてくる。わたしの旅は、おおよそ、こんな感じで始まってゆくのです。